雑学・用語解説9(鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。)

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 の記事はこちら

目次

  1. ウグイス
  2. 南硫黄島
  3. 外来生物とその影響
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1. ウグイス

本書(鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。)では何種かの鳥類が紹介・解説されていますが、その中でも日本人になじみの深い鳥として『ウグイス』を挙げています。

花札にも使われた、どんな感じの鳴き声なのか、容易に想像できるウグイス。

この鳥が何故『知られていない鳥』なのか、その理由を『学名』としています。

学名とは全世界で通用する生物名であり、基本的には『二名法』と呼ばれる方式で名づけられます。

名づけ方は『属名+種小名』であり、属名は『その生物のグループ』、種小名は『種の名前』といった所です。

種小名が異なれば別種という扱いになるのですが、『別種に分けるほどでもない地域性の違い』の場合は種を更に『亜種』に分け地域を特定していくのです。

例えば鳥類の『カササギ』の学名は…

  • ピカ・ピカ:カササギ
  • ピカ・ピカ・ピカ:イギリスから東欧にかけて分布するカササギ
  • ピカ・ピカ・セリカ:日本で見られるカササギ

となります。

この時、2つ目と3つ目の音節部分が同じ言葉ならば、それが『その種の基準となる亜種』=『基亜種』となります。

ウグイスに話が戻ります。

日本には6亜種のウグイスが生息しているそうですが、本島に広く分布する『イメージ通りのウグイス』は基亜種ではないのです。

基亜種となるウグイスは小笠原諸島に生息するウグイスなのです。

このような事態が起こった理由はただ一つ、命名権は早い者勝ちである、という事。

昔、小笠原諸島が日本の領土として認知されていなかった際、先にここのウグイスが発見され『基亜種』としての学名を得た、という事ですね。

つまり、イメージ通りのウグイスはあくまで『亜種』であり、あれが基準となる姿ではないのです。

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2. 南硫黄島

第2次世界大戦で有名な硫黄島、の南60kmにある無人島。

山頂標高916MT、過去に人間が住んだことは無く、本書発行当時3回しか山頂を含む調査が行われていない筋金入りです。

島は場所によっては200MTを超える断崖絶壁に囲まれていますが、一か所だけ崖の合間に谷が出来ている個所があるそうです。

ここが唯一ともいえる島への入り口になるのですが、初っ端から10MTの垂壁となっているようで険しいことには変わりありません。

本書の著者 川上和人氏は調査前年からクライミングジムに通い、備えたそうです。

しかし、素人がすぐにプロ級になるわけでは無いため、調査自体も研究者・学者だけではなく、こういった崖を攻略しルートを構築する専門家も同行したそうです。

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3. 外来生物とその影響

外来生物(外来種)は『元々その地域にいなかったが、意図的・非意図的に関わらず人の手により持ち込まれた生物』のこと。

尚、これには『国外⇒国内』だけではなく、厳密には『国内⇒国内の別地域』も含まれます。

現在日本に『定着』した外来生物は判明しているだけでも2,000種を超えており、ハツカネズミやクマネズミもこ外来種の1種です。

さて、外来種はどんな影響を及ぼすのか?

恐らくブラックバスなどで問題となっている『外来種が在来種を駆逐する』あたりが思い浮かぶのではないでしょうか。

実際、生態系への影響は非常に大きいと思われます。

直接的に他の生物を捕食するだけではなく、『他の生物の主食となるモノを食い尽くす』といった可能性も考えられるでしょう。

また、単純な生態系への影響だけでは無く、『農作物への被害』や『人と動物間での伝染病の媒介』といった点でも大きな影響があります。

では、外来種は絶対に、速やかに駆除すべきかとなると、少し話がややこしくなってきます。

確かに外来種は既存の生態系を破壊するかもしれません。

ですが、それが既に『生態系の一つ』として食物連鎖組み込まれていたならば?

食物連鎖の一角を担う生物を駆除してしまうことになる為、生態系そのものが完全に崩壊する事に繋がるでしょう。

その為駆除を行うにしろ、事前の調査は必須且つ重要となるのです。

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