雑学・用語解説13(予想どおりに不合理)

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 の記事はこちら

目次

  1. 黒真珠
  2. イケア効果
  3. ハーディング効果
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1. 黒真珠

文字通り『黒色の真珠』。

主にクロチョウガイ(黒蝶貝)から生まれる真珠のことで、タヒチなどで養殖・生産が盛ん。

大々的に高級品として売り出したのは、本書によれば【真珠王】とも言われた『サルバトール・アセール』と、宝飾デザイナーである『ハリー・ウィンストン』との事。

当初はタヒチの黒真珠は販路も無く需要もなかった為全く売れなかったが、アセールがハリー・ウィンストンに相談し、今でいうマーケティングを行った結果『高級品』として認知され今に至る。

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2. イケア効果

イケア効果(Ikea Effect)の『イケア』はあの大手家具メーカーであるIKEAの事。

この用語の意味としては『自分が作ったものに本来以上の価値を与えてしまう心理効果』といったもの。
(イケアの家具は自分で組み立てる事から、そのビジネスモデルにちなんで名付けられたとの事)

これは『自分の持ち物は高価に見える』という『所有意識』の一つとされ、”手が入るほど”顕著になりやすいとされる。

なお、あくまでモノを作る or 手を入れるというのは最も分かり易い例なだけであり、イケア効果(所有意識)が働く場合はそれ以外でも十分考えられる。

例えばCMなどを見て、それを使っている自分を想像した際に何か良いイメージが浮かんだ場合、この時点で『仮の or 部分的な所有意識』が発生する場合もある模様。

こうなるとイケア効果(所有意識)により”他の品物よりもCMの品物がよく見える”状態となる(こともある)。

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3. ハーディング効果

Herding Effect。

Herd=群れという意味でハーディング効果は『周りの人の行動を見て善し悪しを判断する、同じ行動を取って安心感を得る』心理現象の事。

つまり”大多数の人間がとっている行動に個人の行動が影響される”という事から、本書の題名である『予想どおり』な不合理が生まれる事もある。

また、これとは別に『自己ハーディング』は自らの行動を前例に善し悪しを判断する事を指す。

この『自己ハーディング』を上手く活用して市場シェアを広げた企業の例として本書では大手コーヒーチェーン『スターバックス』を挙げている。

どういった事か簡単に述べると…

若干高いと感じる価格帯であっても『他店とは異なる上質な空間』を提供する事で『スターバックスで飲むコーヒーは他店とは違う』と印象付ける。

次にスターバックスの前に通りがかった際にこの時の記憶が甦ることで、『スターバックスで過ごした時間は良い時間だった=ここで多少高いお金を支払うのは妥当な事』と認識付けられ(自己ハーディング)、再度来店していく(リピーターになる)。

リピーターが増えていく+リピーター自体もコーヒー以外の他のメニューに手を伸ばしていく事で収益が増えていく、という事。

自己ハーディングを上手く使うことで良い行動の習慣化も可能なので、これ自体は特段悪いものでもない事に注意。

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